筧有子(かけひゆうこ)さん個展

虫の染料で魅惑の紫 静岡市で浜松学院大准教授・筧さんが個展



日本画の画材である絵絹(えぎぬ)にコチニールという虫の染料で描く技法に取り組む美術作家で、浜松学院大准教授の筧有子(かけひゆうこ)さん(43)の個展「染め−虫−浮(うか)ぶ」が静岡市葵区七間町の市文化・クリエイティブ産業振興センターで開かれている。十日までで、入場無料。 

コチニールはサボテンなどに付く虫で、昔から使われている天然由来の染料。美しい紫色が特徴で、日本でも画材として古くから使われている。

元来日本画家の筧さんは、カイコが作る絹の上にコチニールの染料で絵を描く手法を研究。「絵画とは何か」と問い続け、描いた作品をつるしたり、立てたりするなど、さまざまなかたちの作品を発信している。

今回は二〇一八年から今年までに描いた十二点を展示した。

会場の一角を占める「揺れる」シリーズは、コチニールで描いた絵絹を円筒状に丸めて天井からつるした作品(高さ九十二センチ、奥行きと幅八十七センチ)群。色の濃い部分から内部を見ると、裏側が透けて見え、幻想的な雰囲気が漂う。絵絹の端切れをスパイスボトルの中に詰め、正方形状に並べた作品は、絵画を身近に感じてほしいとの思いを込めた。

筧さんは「カイコとコチニールという全て虫由来の素材を使った作品。立体的な表現も楽しんでほしい」と話している。